永井のくわの特徴

特徴1(有)永井のくわの鍬は
切れ味が
良い

永井のくわは、土を切る刃物です。開発したのは55年前。軽く、錆びにくいくわを作ろうと二代目が当時新しい金属だったステンレスに目をつけ、台には軽いステンレス、刃には切れ味の良い自社製の鋼を用いた永井のくわが生まれました。

画期的な技術と認められ科学技術庁の支援を受け、大学の研究所や鉄道会社から知見を取り入れ浸炭法という金属をより強くする加工を施しました。強度が増し、切れ味が持続。さらに切れ味を増すために刃の厚みや角度にも研究を重ねました。

自社製鋼の製造工程 普通の鋼と浸炭法の違い

特徴2(有)永井のくわの鍬は
土はけが
良い

くわで耕作する際、土が台の上に残るとくわに土の重みが加わり、腕や肩に負担がかかってしまいます。重労働である耕作が少しでも楽になるよう、効率を下げずに作業を進められるよう独自の工夫を重ね、土はけの良さを生み出しました。

その秘密は柄と台をつなぐ三角の突起です。この突起部分によってすくい上げられた土は寄り固まることなく、スムーズに左右にはけていきます。ステンレス製の土切れが良さも手伝って、永井のくわは従来のくわの常識を変えました。

土がつかないもう一つの理由

特徴3(有)永井のくわの鍬は
丈夫で
長持ち

永井のくわは、柄が緩みません。力が加わったときに柄が緩んだり、抜けたりすると不便なだけでなく危険で怪我の恐れもあります。永井のくわでは、より堅牢にするために柄を取り付ける台の四方にテーパーを施しています。

このテーパーによって、柄にかかる力を逃すことができます。力がかかればかかるほど、柄は緩みにくく、抜けにくくなる仕組みです。製造時の加工には手間がかかりますが、長く丈夫に使ってもらうための必要な工夫だと思っています。

柄の取り付け工程

独自の開発力と
技術力、高品質。
(有) 永井のくわの信頼は、
ここにあります。

独自の開発力と技術力、高品質。(有) 永井のくわの信頼は、ここにあります。

(有)永井のくわについて

福島・田村市で創業から九十九年、四代続く(有)永井のくわです。私たちの祖先は山形県米沢市の上杉藩の城下で代々刀鍛冶を生業にしていました。現在、三代、四代が鍛冶場に立ち、熟練の職人とともに農具鍛冶業を営んでいます。

田村市(旧滝根町)は昔、炭焼き産業が盛んでした。山から木を切り出すために堅固なのこぎりが必要とされ、初代がこの地へ移住。のこぎり鍛治を始めました。昭和後期になると葉たばこの生産農家が増え、畑作用の農具の需要が高まります。

丈夫で長く使える農具の開発に注力し、試行錯誤の末に永井のくわが生まれロングセラーとなりました。農業のプロから絶大な支持をいただき、農具鍛冶として県内だけでなく全国からお問い合わせをいただくようになりました。

四代続く永井のくわについてイメージ

刃物の場合、丈夫で長持ちすることはもちろん、軽量で手間いらず、いつでも修理ができることも価値であると考えています。道具を作るメーカーだからこそ、常に使う人に寄り添い、お客様にどんなときも頼りにしていただける信頼関係を築いています。

永井のくわ制作工具集合イメージ_01

私たちが大切にしているのは、間違いのないもの(正品)をつくる心。産業の変遷に対応し、どんな時代にも使う人が必要とするものづくりを続けてきました。地方の小さな鍛冶屋ですが、確かな目と鍛錬した技術は、ものづくり企業として誇りがあってこそ高められたと自負しています。

一次産業の担い手不足が深刻化し農具の需要も以前より少なくなっていますが、生活のIT化が進む一方、土に親しむひとときや自然の中での営みに人間本来の姿があるのではないかと思っています。私たちは食を育む大地に触れる機会とその楽しみ方を農具製造を通して伝えてまいります。

永井のくわの社員集合イメージ